REPORT

2024.12.18 (Wed)

cinéma bird in 石川県 志賀町 2024 開催レポート

第13弾となる今回のcinéma birdは、2024年3月24日(日)に1⽉1⽇に発⽣した能登半島地震の被災地である⽯川県志賀町にて開催し、地元住民約300人を無料招待しました。
突如奪われてしまった⽇常の中、懸命に⽣き抜く⽅々へ、少しでも⼼安らぐ時間をお届けできたらと願い、今回の開催に⾄りました。

今回は、3⽉29⽇に最終回を迎えた、WOWOWで放送・配信中の映画情報番組『斎藤⼯×板⾕由夏 映画⼯房』でタッグを組んで12年半となる⼥優板⾕由夏さんが『cinéma bird in 北海道 2019』以来5年ぶりに、
さらに『cinéma bird in ⼤分 2016』以来8年ぶりとなる⼥優・桜井ユキさんが駆けつけました。

恒例のcinéma birds(⿑藤⼯・豪起)によるウェルカムソングで来場者をお迎えしていると、
昨年世界デビュー40 周年を迎えたジャズピアニスト⼩曽根真さんが飛び入り参加し、急遽コラボが実現しました。

オープニングトークには、志賀町の稲岡健太郎町⻑が登壇し「⿑藤⼯さんをはじめ、たくさんの⽅に来ていただけることになり・・・本当に豪華なイベントになって皆様に感謝している。」と謝意を述べると、「私たちは道路を直したり⽀援物資を送ったり補助⾦を出したりはできるが、皆さんの⼼を癒すことが苦⼿。本⽇は才能あふれる皆様のお⼒をお借りして、笑ったり泣いたり、まったりしたり、いろんな感情で⼼を癒してほしい。」と労いの⾔葉を送りました。
さらに今回、⿑藤⼯さんのファンクラブで販売したフォトセットの売上⾦を、全て義援⾦として稲岡町⻑へ渡すと客席からは「ありがとう!」という声が⾶び交いました。

お笑いライブには、cinéma bird初出演となるダンディ坂野さんとゆりやんレトリィバァさんが登場。
最初に登場した石川県出身のダンディ坂野さんは、「地元でございます!ありがとうございます!ダンディ坂野は撮影OKです。21 年前に流⾏ったアレ、やります。シャッターチャンスですよ!」と代表作の持ちギャグを披露し、サービス精神旺盛なステージを展開しました。

そして「こんにちは〜!」と⼤歓声が巻き起こしながら、ゆりやんレトリィバァさんが登場。
⼩ボケを軽快に取り⼊れたトークを繰り広げたり、 「誰とかではないんですけど、こういう⼈いるなという⽬線で⾒てもらえれば」と前振りを⼊れ、その⾔葉通り「誰やねん!」と突っ込みたくなるものまねを多数披露し、会場は爆笑の渦に包まれました。

お笑いライブの後は、再び⼩曽根真さんが登場し、
「僕は神⼾出⾝。神⼾も29年前に震災(阪神・淡路⼤震災)があり住んでいた建物も倒壊した。そんな中、神⼾も復興してきた。最初に、その時の神⼾のために作った曲をお届けしたいと思う。」と⾃⾝も被災した過去を伝え、『ストラッティン・イン・キタノ』を奏でると、会場は⼀気に上質な空気に包まれました。
そして「皆様が少しでも早く、元の⽣活に戻れますように。そして、亡くなられた⽅へ追悼の意を込めて。皆さんと気持ちを⼀つにして届けたい。」と述べ、楽曲『Reborn』を披露し、世界レベルの演奏に会場は酔いしれました。

今回上映した映画は、2018 年に⽇本で公開された傑作『ワンダー 君は太陽』と⿑藤⼯さんが企画/脚本と声優を務め、世界の⼦供達のために作られたクレイアニメーション『映画の妖精 フィルとムー』の2本。
『ワンダー 君は太陽』はベストセラー⼩説を元に、天才⼦役ジェイコブ・トレンブレイとジュリア・ロバーツが親⼦の絆を熱演した作品で、他者とは違う容姿で⽣まれた少年の成⻑を描く感動ストーリー。会場の⾄る所から⿐をすする⾳が聞こえてくるなど、会場は笑いのあとに涙に包まれることとなりました。

イベント前には、出演者全員で志賀町富来にある避難所を訪れました。何も聞かされていなかった地元住⺠はスペシャルなゲストの登場で歓喜の渦に。地元住⺠は「こんな遠いところに来てくれるなんて感動している。元気をもらったので 100 歳まで⽣きれそうです」と⽬をキラキラさせながら伝えてくれました。


今回の開催にあたり発起⼈である⿑藤⼯さんは
「震災が起きてから僕たちにできることを模索してきた。このスピード感でcinéma birdを実施することは初めてですが、ボランティアの皆様にもたくさんご協⼒いただき、こちらが素敵な時間を“ゲッツ”させていただきました。 」と笑いを誘いながら、
「今⽇があるのは、志賀町の皆様が受けれてくださったからこそ。続けていかないと意味がない。 点じゃなくて線になるよう、 また未来で待ち合わせしましょう。」と再来を約束し、イベントを締め括りました。